活動報告
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神奈川県海外技術研修事業
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1999年6月〜2000年3月まで、神奈川県海外技術研修事業にミゾラム州の農業省園芸局からマーガレット・ヴァンラルザーミさんを推薦し、神奈川県農業総合研究所で研修させて頂きました。

マーガレットさん
神奈川県農業総合研究所にて。
左がマーガレットさん。右は研究所の山田さん

10ヶ月の研修期間は、最初の3ヶ月は日本語研修に、後の7ヶ月が農業研修にあてられました。マーガレットさんは、3ヶ月の短い期間ながら簡単な日常会話を覚えると共に、日本での生活に馴染むことができました。

神奈川県農業総合研究所では、有機農業の堆肥について、培養試験、土壌分析と施肥の処方、果樹栽培の研修を受けました。

現地では科学的な分析などはほとんど行われていません。経済的な問題や機材がないこともありますが、州政府の農業に対する考え方の問題もあります。大学時代に農業を専攻したマーガレットさんは、分析についての大まかな知識は持っていたものの、園芸局の仕事の中では分析は全く行われていません。日本で使われている最新の分析機器などは当然現地にはありませんし、分析法や基準値がそれぞれ違うので、今すぐに現地で分析を始めることはできませんが、この研修で分析技術の重要性を認識することができたようです。将来、できるところから少しずつ、土壌分析を始められるように園芸局を変えていきたいとのことです。

また休日を利用し、現在ミゾラムで進めているキーウィフルーツ栽培の研修を、山梨県の澤登さん宅でほぼ毎月一回1泊2日で行いました。マーガレットさんと澤登さんは、ミゾラムでの第3回ワークショップで通訳として一緒に活動した間柄で、楽しく研修をさせてもらいました。

キーウィフルーツ畑にて
澤登さん宅のキーウィフルーツ畑にて。
人工受粉の実習をするマーガレットさん

ここでは、接木の方法、人工受粉、夏期剪定、摘果、収穫、冬季剪定とキーウィフルーツの栽培を通年にわたって勉強できましたので、これからの農業開発ではすぐに役立つものです。また、キーウィフルーツだけではなく、農業全般にわたって英語で説明がなされましたので、かなり密度の濃い研修となりました。