ミゾラムからの手紙
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2001 年 7 月06日  

横田から近況が届きました(内容を再構成しています)。

 


梅雨で不快な日が続く日本だと思いますが、お元気でお過ごしでしょうか。

私、横田は6月27日より2ヶ月ほど、出張を兼ねて休養を取らせて頂きます。
今後、連絡させていただくまでは、以下のアドレスをお使いください。

 メールアドレス hts_ykt@hotmail.com

また、急ぎのご用件の場合は、英語、もしくはローマ字表記でご連絡下さい。(公衆パソコンを利用するため、日本語ソフトが入っていないものはローマ字しか使えません)

出張は、インド・ウッタルプラデッシュ州アラハバードとデリー、コルカタ(旧カルカッタ)、休養はタイのバンコクとその近郊を予定しています。南インドに向かうかもしれません。この方面に来る予定のある方は是非ご連絡ください。


こちらも5月半ばから雨期に入り、大変な毎日です。何が大変かと言うと、土砂崩れによる道路遮断、交通事故、生活物資の不足などです。

ミゾラムはインド本土からの交通路が一本しかないので、そこが遮断されると陸の孤島と化します。

さて、4月〜6月までの状況ですが、5回(計12日)ほど地方に出ただけで殆どを韓国自然農業養豚(ヤマギシズム養豚改良型)の豚舎作りに費やしました。

日本のようにアルミニウムなどの住宅建材がないので、石とセメントと材木とトタンで作っています。大工の手配や資材の手配が大変で、基本的に大工は用意された材料で言われた事しかやらないので指示するのに現場にへばりつきになります。その上、大工は『分かった、分かった」と言って実際わかっていない事が多く、作っては壊しの繰り返しで、豚舎は仕上がる前からもうボロボロの状態です。

また、6月に入り、インド本土人とミゾラム人の対立が激しくなり、インド本土人が2週間の労働禁止となり、注文していた部品が手に入らず暫し休止。3ヶ月掛かってやっと一部使えるようになり、豚を新豚舎に移しました。豚舎は、床面に1mの厚さにおが屑とかんな屑を敷いてあるので、豚はとても気持ちがいいようです。今までとは比べ物にならない位よくじゃれあって遊んでいます。ただし、床面が発酵して暖かいせいか、蚊がおびただしく発生し、悩みの種です。写真を添付します。

 豚舎

また、この間、養鶏も始めました。と言うより、戴きものがあったので、増やしたのです。
もともと1羽だけ(これももらい物)放し飼いで飼っていて、餌も全くやらず毎日卵を産む優等生だったのですが、新しい鶏を混ぜたら大変で、序列争いに喧嘩ばかり始めました。

当分は、外敵の対処だけを行ない、雑草中心の餌だけで放し飼いにして様子を見ていくつもりです。ちなみに豚同様、鶏にも名前をつけています。上位から

1.ラブラヴィ

雛を孵した雌鶏、旦那とラブラブから

2.ラブラヴァ

唯一の雄鶏、雛のお父さんでラブラヴィにぞっこん!
しかし他の雌鶏の面倒を見ず役立たず、おまけにラブラヴィに寄り添っているうちに雛を踏んづけて殺してしまったアホ。しかし自分の名前は認識している様子

3.シロ

白いから、自分の名前を認識している様子

4.バーバイ

老けた色をしているから

5.キミ

金色から

6.ヒトミ

瞳が真っ黒で可愛い

7.リアニ

ミゾラム語で大きい女と言う意味。その名の通り雌では一番大きく、本来一番強いと思われるが、最後に入れた鶏で、入れた瞬間に喧嘩を始めたものの他の鶏に集団で逆襲に遭い、結局下位に

8.チャイ

茶色から。一番小さいので結局最下位に。

畑のほうは、前回報告しましたバンブーマルチがとうもろこしと豆類は成功、果菜は結局追肥が出来ずに失敗と言うところです。成功と言っても、人より1ヶ月収穫が早かっただけですが、乾季に栽培を始める指針ができればと思っています。果菜類はトマトは雨に勝てず収穫は無し、キュウリも一株当たり2〜5本しか出来ず、なすとオクラは今収穫期ですが、成長は遅いです。5月下旬に米を植えました。陸稲ですので草取りが大変です。

約半年、ここで農業を経験しましたが、機械無しでの農業では一度だけ畑を焼くのはやむを得ないのかとも思っています。この畑が10年くらい全く使われていなかった事もあって、生えていた雑草はみな笹のように硬くて分解しにくいものばかり。堆肥を作るために切り刻むのは容易ではなく、そのままではいくら経っても分解しません。

また、焼畑には土壌殺菌や除草・殺虫の効果もあり、常畑を指導している(試してもらっている)農家の稲作では、4月初旬に植えたもので今現在焼畑のほうに軍配が上がっています。雑草虫害が非常に少ないのです。理想を言っても結果が全てですので、なんとかしたいものです。

6月初め、成清海苔店(なりきよのりてん)さんから『海苔』と『海老ふりかけ』の差し入れを頂きました。ありがとうございました。
ここの海苔は九州有明海の一番摘みの海苔で大変美味しいのですが、海老ふりかけがとても美味しく、食文化の違うところに住んでいると大変重宝します。
一般のふりかけは化学調味料と着色料などの塊で栄養も無く体に悪いのですが、成清海苔店の海老ふりかけは、栄養豊富で全て国産原料で全くの無添加。皆さんも是非お試しください。これから迎える暑い夏の食欲の無い時に最高の栄養食となります。

お問い合わせ・ご注文は成清海苔店(narikiyo-nori@mbp.sphere.ne.jp)まで


豚舎もまだ完成しておらず、畑は除草で大変な時期で、いつも相談に来てくれる多くの農民や行政への提案、キーウィフルーツの夏季剪定指導、雑誌への寄稿、日本への留学生の推薦など、多くの仕事が中途半端で中断してしまいますが、割り切って休養を取らないと機会を逃してしまいます。昨年末に休養を予定していたのですが、引越の遅れで予定がずれ込み機会を逃したままになっています。日本にいた最後の2年間は家でくつろいだ日は一日もありませんでした。

どうか勝手をお許しください。8月末にミゾラムに帰ってくる予定です。


横田仁志