ミゾラムからの手紙
[ HOME ]
2001 年 2 月17日  

横田から近況が届きました(内容を再構成しています)。


ネパールから帰ってきました。

ネパールではまず、8年来のお付き合いをしている INSAN(Institute for Sustainable Agricuruture Nepal)という、持続可能な自然農業を推進している NGO を訪ねました。

プロジェクト地域を訪問すると、そのエリアの畑だけが青々としていました。ネパールでは多くの海外 NGO が活動していますが、NGO の入っている地域と入っていない地域で畑の色が全く違います。ただ、この INSAN は、資金不足を補う目的で、最近は自らのモデル農場では高く輸出できるハーブ類を中心に栽培しているということです。農民を研修させるための施設が理想とかけ離れてしまっているようです。

また、6年来の友人のプロジェクトも見てきました。
彼はある NGO の試験農場で働いていたのですが、1年半ほど前に独立し、以前の試験農場の研修生のその後をフォローしています。一軒一軒の各農家をフォローしているので地道ですが確実に効果を上げています。しかし彼の収入は時々招かれる研究会の講師料だけで、AMDA (アジア医師連絡協議会)の病院の看護婦をしている奥さんの収入にかなり頼らなければいけないようです。

KAKANI という村に彼の指導している農家を訪ねました。
この村は数年前にタイ航空機がカトマンズ空港への着陸に失敗し、山に墜落した現場への入り口になるところで、この事故のおかげで多くの人が来るようになり儲かってしまったと言うところです。

標高2000メートルのこの村はこの時期ほとんど農業が出来ず、農家は皆出稼ぎに行っているのですが、わずか一軒だけ、きちんと指導を守り、農業をしていました。「出稼ぎのほうがいい収入になると思うが毎日家族と一緒にいられる分、農業をしていたほうが良い」という言葉が聞かれました。結局農業は儲からない。あとは人の価値観の問題になってくるのです。難しいね。

これらのプロジェクトを見て、あとは資料探しの毎日でした。本を40冊(約4万5千円)も買い込み、これから山岳地帯の農業のヒントを探すつもりです。

ネパールのカトマンズは、日本食、露天風呂があり、ほっとします。
しかし、ミゾラムからは夜行バス、夜行列車、夜行バスと乗り継いで3泊4日の旅。 往復5千円で行けるとは言え、厳しい旅です。日本のバス列車と違い乗り心地が悪く、治安も悪いのでスキがあるとすぐモノを盗まれます。

次回は飛行機で行きたいけれど、往復5万円もかかるしねえ!